top of page
アンカー 1
Cacti
01.JPG

2023年10月1日(日)~10月10日(火)

朝夕、季節がコトリと、歩を進めます。

斜光の夕暮れ、一枚2枚と黄色く染まった落葉が見られる季節になりました。決して、秋の本体からの出来事ではなく、長い夏から脱けだしたような迷子の落ち葉を見かけるのも、季節が日1日と動いている証です。

>> PM10 : 00  バー <<

哀しみのなかの危うさが美しい。

10が並ぶ日、私はちょっとクラシックなこのバーで待ち合わせをするのが、この季節の行事のようになっています。安曇野のジャンセン美術館を訪れた記念日なんですね。青山のとあるバーでこの絵に出会い、どうしても実物を観たくなり斜光の信濃路を楽しみました。そろそろ午後10時です。ジャンセンの絵のようなお方との待ち合わせです。ふと見ると、絵から抜け出たような危うさと哀しみを抱えた横顔でした。

02.JPG

2023年10月11日(水)~10月20日(金)

時は流れない。積み重なる。

女のコーヒーを文学と言い、男の珈琲を哲学と言うという雑文を、昔、書いたことがありますが、秋がすぐ隣に見えるこの時季、なんとなく哲学で遊んでみたくなりませんか。次から次へと想像を膨らませていくと、いつの間にか時間が積もる。いい季節になりました。

>> PM 3 : 00     ラウンジ <<

想うことが、気分をふくらます。

❝ 約束をするってことは、なんとも心が騒ぐものだろうか。相手の方と自分の時間の針を合わせることだから、そこにときめきの芽を見つけることができる。そして、一拍おいて、妄想にふけってみる。想像の芽は次々と枝葉を伸ばし、その一枚の葉は全く別のところへ着地する。その約束の先に、これから逢う人が又、思わぬ展開を見せてくれたら、出逢いに加減乗除が混ざり合い・・・。あと3分で、その角を曲がった先に。

03.JPG

2023年10月21日(土)~10月31(火)

仕掛ける気持ちが心を弾ませる。

どんな小さな出会いでも、想像力を逞しくすればときめきが生まれてくる。ヒトにはときめきの心が大切なんだよ・・・と、あの方がおっしゃっていたことが、よ~くわかる季節になってきた。お誘い視線がじんわりと、私に、巻きついてくる。

>> PM 7 : 00  パーティー会場 <<

会話も艶やかに華やいできた。

❝ 長い間、閉じ込めていた気分が、このところの季節の誘いに刺激されたのか、パーティーへの誘いを見受けるようになりました。長い夏にうんざりの心は、誘い水を打たれただけで、瞬時に出逢いを求めての視線へと変わります。会話の糸口は、気持ちの良い季節になりましたねと、お互いの気分を少しだけ、解放するだけで、あとはもう、少しの飲み物さえあれば、潤滑油は充分に心の隅まで、まわりきる秋の夕暮れです。

04.JPG

2023年10月のとあるある日

10月の微熱のある風景【切なさ】

人間の弱さを見せつけるために、天使が用意した解毒剤が【 切なさ 】ではなかろうか。これほど願っても届かない聖域があることをわからせることで、ヒトの無力を立証してくれるのだから・・・。

>> 10月のとあるある日 <<

【切なさ】悲しさ寂しさなどで、胸が締めつけられる思いで辛いこと。

❝ 庭の郵便ポストに、絵はがきをゆっくりと投函なさったあの方。何かを祈るような仕草で遠くを視つめられ、視線を閉じられた。こちらからは見えはしないが、たおやかな一行が添えられた風を感じた。

男の切なさは、両手ですくいきれないもどかしさがにじむ。

女の切なさは、片手を伸ばしてきても手が届かない儚さが届く

bottom of page