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アンカー 1
Cacti
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2022年1/1(土)〜1/10(月)

新しい年が、音もなく明けていく。

寒青という言葉を見つけましてね。と、ついていきたい 先輩からうかがった。あえて無口で、奢ることなく大地を踏みしめて、真っ直ぐ立ち尽くす姿勢を感じてしまう。年が明け、それぞれの夢を抱きながら、新しい年が始まろうとしている。寒梅が似合う季節がやってくる。

>> PM2 : 00    ガーデンテラス <<

香りの使者がやってくると、季節がめくられる。

梅の花や、桜が私たちの気持ちにふんわりと、受け入れられてしまうのは、その花の存在自体に寂しさや儚さがあるからではなかろうか。そして、若さを通り過ぎ、壮年と言われる頃になると、「どちらかというと、梅に心が残るんだよナー」などと、しみじみと感じることを楽しんでしまう。一閃残心という言葉がこのところのお気に入りである。瞬きの間に、勝負はついてしまうが、奢らず静かに心を鎮めるという状態を大切にしている。遠くから梅が香ってきたようだ。

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2022年1/11(火)〜1/20(木)

1月の微熱のある風景 【  仕舞い込む  】

これまでの出来事はすべて認め、これからスタートする方向や角度を示す羅針盤が、仕舞い込むという動作には、込められているようだ。そこで、ものごとを醸成させ、フツフツと昇華の後、見えてきた方向にむけ、静かに進んでいく。その角度がどのように現れるかで、これからが決まる。

>> 1月のとあるある日 <<

【  仕舞い込む  】  保存目的で入れ物の中に入れるさま。

単純に言葉の表面だけで解説をすると、何かを貯えるために、あるものの奥の方に隠す動作に聞こえるが、特に男と女の間でのこの動きには、大きな意味がある。野球のピッチャーが、キャッチャーと次の投球のサインを交換する時のグラブで隠された右手の中のボールにも似ている。仕舞い込むとは次の動きへの間合いのことを言う。

男の仕舞い込むは、蔵の奥へ保存するに似ている。

女の仕舞い込むは、箪笥に整理するに似ている。

どちらにせよ、一秒の時もあれば、一時間の時もある。一生の時もあるのがクセモノ。

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2022年1/21(金)〜1/31(月)

色のない時季こそ、切なさが似合う。

カタチ・イロ・シツカンに強くなりなさいと、教えられた。特にその中でも、イロの赤に興味が強い。世の中では、目で識別できるアカは300通りもあるそうだ。フランス国旗の甘いアカ、アメリカ国旗の力強いアカ、そして日本国旗の切ないアカ。独断だが、季節の中で一番、厳しい寒さの1月の末、切ない赤が欠かせない。

>> PM10 : 00     バーカウンター <<

ザクロの赤は、金曜日の匂い。

❝ 「ジャックローズ」をくださいますか。と、左隣の彼女。1月の誕生石はガーネット、ザクロ。「祖母の形見なの」と、小さなバッグから指輪を出した。「私、1月の誕生日になると、この指輪を連れてバーに来るの」と。「バーで、お酒を嗜むことができる女性になりなさいネ」と、20歳の誕生日に、お祖母さんがガーネットの指輪をくださったそうな。厳しい冬のこの時季を彩ってくれるザクロの赤の向こうに、彼女は何を視つめていたのだろうか。あれから33年後の冬。

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