2018年 3/26(月)〜4/1(日)
4月には、人も社会も輝きはじめる。
4月になると、それまでの喧騒もなくなり、ホテル本来の佇まいを見せ始める。 桜の開花に合わせ、海外旅行が計画されるのも日本独特の門出とか、旅立ちの 習慣によるものと思われる。4月は輝きの刻。
>> PM 6 : 00 ゲストルーム <<
主人のためのメイクに着替える。
❝ 赤の口紅を差しながら鏡をのぞきこむ。 私は今、海外のホテルの一室で、時間を計っている。単身で赴任している主人に会いに来た。娘もこの春から、社会人デビューし、私も母親から女へと意識をとりもどす時。 歳をとったなと感じながらも、主人のために 、いつもより濃いメイクが心地いい。❞
2018年 4/2(月)〜4/8(日)
ホテルのロビーは、多国籍で多目的。
都内のホテルのロビーは、ウイークデーの午後になると、あちらこちらで、ビジネス用語が飛び交っている。ホテルはビジネスマンの戦場でもあり、休息の場でもあり、晴れの舞台でもある。
>> PM 4 : 00 ラウンジ <<
プライベートの時こそ、見えてくるもの。
❝ 私はこのホテルをビジネスで利用することが多く、ホテルスタッフにも、顔見知りが多い 。ホームタウンとなるこの場所は、勝負には欠かせない。たまのプライベート時にも、自分の休息のために、足が向く。使い慣れたラウンジから支配人にお礼のメールを打つ。彼は友人でもあり、仕事のパートナーだ。❞
2018年 4/9(月)〜4/15(日)
ホテルの庭園はアートだ。
それぞれのホテルが持つ庭園は、訪問者の目と心を休めるためにあるのではなかろうか。 限られたスペースの中に、自然と人工物との調和を上手に取り入れてこそ、造形の美しさが際立ってくる。
>> AM 11 : 00 庭園 <<
舞う風は、予期せぬ演出家。
❝ CM撮影中の一コマです。演出家のカットの声の後、ふと見上げた桜の大樹の枝から、ひらひらと、花吹雪が舞い始めました。 その優しい微風に身を任せていると、花びらの一枚が、きれいにつくった口紅にヒラリと舞い降りました。カメラは、その情景を見逃さず、本編にも、それが使われるそうです。❞
2018年 4/16(月)〜4/22(日)
新緑溢れる4月には、笑顔が弾けます。
新緑に白いウェディングドレス。想像するだけでも、お二人の晴れやかなお姿が目に浮かんできます。季節もほころび始め、穏やかさが顔を出すこの時期、皆さんの笑顔もこぼれます。
>> PM 3 : 00 ティーラウンジ <<
予期せぬ出会いも、春だからこそ。
❝ ティーラウンジで幼友達と待ち合わせ。仕事にも慣れ、後輩達のメンドウもみなければいけない立場になってきた30才の私。人の渦の中に、ある人を見つけた。驚いて声も出ずに、ずっと見送った。その人の隣には、白いドレスにブーケを持った可愛らしい女の人。❞
2018年 4/23(月)〜4/29(日)
楽しみ方は年齢層によって違う。
それぞれのホテルに、それぞれの楽しみ方があるのが正しいホテルの利用法と思われるので、各人の好みを決めたうえで、選ぶ先を決めたいものだ。それでこそ、ホテル本来の姿が見えてくる。
>> PM 2 : 00 庭園 <<
その人が素になれる場所。
❝ ずっと昔、ある先輩からいただいた手紙。「桜前線と共に北上します。」定年後の北の国での生活を語ってくださいました。来月、定年を迎えます。あの時以来、この桜の樹の下だけは、素に戻れる場所でした。先輩のお便りから20年。今年でこの桜も見納めです。桜前線に逆らい南下します。❞