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アンカー 1
Cacti
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2022年9/1(木)〜9/10(土)

秋の風は、便りを連れてくる。

季節の移り変わりがほんの少しネジを緩めたのでしょうか、暑い日が続いています。とは言え、季節の方も予定があるのでしょう、徐々にですが秋の気配を見せ始めました。あんなに陽が長かったものが気づけば、落ちかけの空に蒼みを増しているようです。今、違う種類の風を感じました。

>> AM8 : 00 ゲストルーム <<

その方のシャツ、ナス紺と言うのでしょうか。

季節がゆらりと揺れた日から、装うという言葉がふと我に帰ってきたようになる。その気配のカケラも見せてはくれないけれど、私だけのセンサーに、優しい風が届いてきた。昨日の夕暮れ、空がほんの数分の間、碧く染まった。ずっと昔、撮影の立ち合いで碧の空を待ったことがある。「夏の遅い時間、空がこの色に染まるとき、白いピンクの肌にうっすらとアオミがかかり、それは幻想的な時間なんだ・・・」と教えられた。今朝、数分、鏡の中にいる時間が長かったような。

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2022年9/11(日)〜 9/20(水)

9月の微熱のある風景【届ける】

気持や、心の内を相手に表すための最適な手段を届けるという。敢えて、言葉に乗せず視線でモノを語った時ほど、熱量が計り知れないものになる。

>> 9月のとあるある日 <<

【 届ける】運んで相手方に着くようにする。

ソファーで、顔を近づけた刹那、視線をキリリと結び、こちらを見つめ返してきた。ほんの5秒くらいだろうか。見えない道を通り、その人の心のうちが突き刺さるように、こちらに届いてきた。間が、永遠のようにも思われた。

男の届けるは、そのものを箱状のものに入れる傾向がある。その心は頑丈に扱いたいものと思われる。

女の届けるは、そのものを柔らかい布状のもので包みたがる。その心は、優しく心がこもっている状態を見せたいものと思われる。

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2022年9/21(水)〜9/30(金)

舞台の幕を上げますけれど・・・。

人間って面白いものですね。ついこの間までだらけていた精神が、秋の気配を感じ始めた頃から、女のロマン・男のハードボイルドが顔を出す。やってくる季節によって、連想が連れてくるシーンもガラリと変わる。いいじゃないですか、それこそ、人間なんだから。さて今宵は何を演じましょうか。

>> PM10 : 00    バー <<

演じることは、その心がそこにあるから。

❝ 亡くなったお父様からもらったというオウム貝。アンモナイトと似ていることからだろうか、つい、昔のことを思い出してしまうらしい。夏が往き、秋の入り口がこちら側の様子を伺いにくる頃、「こんなことがあってね・・・」と懐かしい話が始まった。そんな優しい話は、食後の一杯でもゆっくりと飲みながら語ろうかと、バーへと足が向く。「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」と、レイモンド・チャンドラーの台詞。「ギムレットには早すぎる」なんて真似ながら、演じ始めたお二人。

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