top of page
アンカー 1
Cacti
01.jpg

2021年3/1(月)〜3/10(水)

自然の殻をやぶる音が聞こえそうです。

桃の節句を迎えるホテルでは、お客様のお召し物にも華やぎの色が目立ちはじめます。自然界でも冬の間、じっと耐えていた花の蕾たちも、それぞれに咲く時期を見計らっているようです。ロビーにもやわらかい色彩が解き放たれ、行き交う人々の足音も軽やかに弾み、飛び交う会話にも淡い色がまぶされてきたようです。

>> PM2 : 00    カフェ テラス <<

陽光が過ぎた日を想い出させる。

「何かいいことがあったりした時に、それが続くものであろうとも、あるいは瞬時に消え去るコトであろうとも、私はその時を刻むつもりでアクセサリーを手に入れているの」と、あの方から聞いた。ちょっとした事情があり、逢うことをためらい二年間が過ぎようとしている。三年前のある日、その方へある記念に指輪を贈った。白木蓮が蕾どきになると、願をかけ、外しているブレスレットを春の陽ざしに、晒してみたくなる。

02.jpg

2021年3/11(木)〜3/20(土)

抑えた気持ちがいつか華ひらく。

卒業式シーズンなのでしょうか。ホテルのロビーでは、華やいだ服装が目立ちはじめました。それにしても今年は、謝恩会等の密を避ける工夫がなされ、はしゃぐ気持ちを抑えてのイベントが粛々と進行しているようです。この礼節が、いつかきっと大きな華を咲かせる時が、来るはずです。

>> PM11 : 00   ゲストルーム <<

心の中が、外に表れたのが、その時の服装。

あるホテルで行われた創立○周年のパーティーでのことを話させてくださいますか。外部の方々を、お招きしての昼間のパーティーでは、一応のドレスコードを守られて、壇上で颯爽とご挨拶をなさったあの方。人の気持ちは、その人が着用される服装に表われると常日頃から発信なさっているからでしょうか。ご自分の見え方をすべてコントロールされている。そして今、ホテルに併設されているバンガロー風コテージで、おつかれさま会を閉じたばかりの二人です。

03.jpg

2021年3/21(日)〜3/31(水)

旅人の止まり木。バーカウンター。

ホテルのバーの魅力は、まったく知らなかった人と、カウンターの隣に座っただけで、何かの拍子に、知りあうことかもしれません。バーテンダーが仲介してくれる時もあるし、飲んでいる酒の種類が間に入ってくれることもある。そしてなにより、今夜は同じホテルに泊まっているという不思議な連帯感が、そうさせるのかも知れません。

>> PM9 : 00    バーカウンター <<

椿は、日本で生まれた花だそうです。

❝ 「花びらが個々に散るのではなく、花が丸ごとポトリと落ちるから、椿の花を避ける人が多くてね」と語ってくださった武士の風貌をなさってた男の方。「小説・椿姫(1848年)には、高級娼婦との恋の思い出が綴ってあってね」と、椿は数ある花の中でも、一番、興味を惹くんだよな〜と、おっしゃいます。その上、「表の花言葉は、<控えめな優しさ><誇り>だけれど、裏花言葉は<犯罪を犯す女>だよ」と、大島の椿見物の帰りだそうで、バーでお会いした何者なんだろうと思われるお方。時代の裂け目に落ちたような一夜でした。

bottom of page