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アンカー 1
Cacti
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2022年4/1(金)〜4/10(日)

この一ヶ月、自然の脱皮が見ものです。

新入学・新卒・新年度と、新しいという字が踊る新緑の季節です。ついこの間までスプリングコートにしようかと迷っていた気候が、いつの間にか春本番を迎えます。贅沢なほどの南風を感じながら、目に映る黄緑色も日々輝きを増していきます。煌めくってこういうことねと、改めて感じさせてくれる瞬間です。

>> PM3: 00  庭園 <<

左隣は、とっておきな人のために。

散り際の見事さに心を惹かれると、この季節が来るごとに、夜桜の中へ連れ出してくださった方がいらしたそうな。「私の場合は、漆黒の太い幹に突然、その気になったように群れから離れて咲いている律儀な花が気にかかります」と。100人の人々に、100の物語があるに違いない桜の花にまつわる話。私の話をさせて貰えば、苦手な3月がスーッと遠ざかる頃から得体の知れない血が騒ぎ始める。夜・桜・銀の三文字が視界を斜めに散っていく。

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2022年4/11(月)〜4/20(水)

4月の微熱のある風景【なぞる】

ガーデンテラスでのこと、池の鯉に視線を止めていらっしゃる方をお見受けした。見ておられた先にはゆっくりと泳ぐ鯉ではなく、過去の何か、あるいは未来の何か、確認するように瞬きの間がスローモーションのように私を捉えて離さない。ほんの3秒間の出来事。

>> 4月のとあるある日 <<

【 なぞる 】すでに行われた事実や書かれた文章などをたどって再現する。

自分がたどってきた道を、ある程度は認めているからこそ、なぞるという行為があるはずだ。もし、見たくもない過去のものならば、なぞる行為は誰もしないはずだから。

男のなぞるは、今現在から通ってきた過去に向かって行われる。

女のなぞるは、今現在から未だ通ったことのない未来に向けてトレースされる。

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2022年4/21(木)〜4/30(土)

すべては、風のそよぎ方がワルさを誘う。

南からの風が届き、閉じ気味だった心に誘いかけてくる季節が始まりました。GWに突入する少し前のこの時季、大人の心には春の生温かい誘惑の風がそよいでいます。意味もなくフラーっと一人で、いつもと違う道を歩きたくなったりと。そんなシーンが見受けられる大人の季節です。季節の谷間に微風が吹いています。

>> PM9 : 00     バー <<

この温度と湿度が、心を開かせる。

❝ 男と女の出逢いを例に話すと、流れの方向が一緒で、いつの間にか歩く速度が一緒になっていたというものや、その反対で、思わぬところで、まあ、簡単に言ってしまえば街の角を曲がった途端に偶然、出会ってしまった関係とか・・。そんな話を他人事のように明るく話し始めてくださったお方。「シンプルで、ストレートな生き方なのよ」と、先程の出来事を振り返られた。「明日の朝食をご一緒しませんか・・」と、誘われたそうな。「これからの一杯が、そんな気分にさせてくれたらね・・」との返事をなさったそう。春の夜の夢のごとし・・かしらねと微笑された。

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