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アンカー 1
Cacti
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2021年6/1(火)〜6/10(木)

気がつけば自然が移ろいでいる。

いつもより今年は早めの梅雨が始まったようです。四季の美しさが際立つこの日本では、梅雨がもたらしてくれる湿気があってこそ、初めて季節の変化に句読点が打たれるのではないでしょうか。ホテルをとりまく自然にも、季節のグラデーションを見受けることが出来はじめました。

>> AM 9 : 00   ゲストルーム <<

涼しい一瞥は、武器になる。

魅せつけてしまいたいという欲求があるからこそ、私はいつもこの季節になると、メラメラと体脂肪を燃やしたくなる。人類はなぜ、これほどまでに発展してきたかという説を伺ったけれど、やはり、欲なんですってね。その上、視線を集めるだけではなく、次には羨望のまなざしの矢を一心に集めたい。そして、一瞥をくれるだけで、集まった視線は私の前にひれ伏してしまう。「その快感のために、人類は発展してきたんだなー」と、一瞬、ためらいながら、目の前の彼がうなずいてくれた。一瞥の所為かもしれないが・・。

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2021年6/11(金)〜6/20(日)

6月は、美しさに養分を与える月。

湿度と心の開き具合は、どこかで関係しているのでしょうか。一年の中盤のこの季節、6月になると、一人旅の方を良くお見かけいたします。寂しさのカケラもなく、いきいきと時間の中に佇まれている。自然の中の植物群も水から栄養を吸収するこの時季、ヒトだって湿った大気が、心の栄養になるのかも知れませんね。

>> PM 9 : 00   ゲストルーム <<

自分のココロを裸にしてみる。

振りかえってみたり、これから先のことを眺めてみたりをするために、折り返し点というものがある感じがします。先頭を走っているのなら、後ろからはどんな集団が来ているのかも自然な状態で見ることも出来るし、ましてや、中盤に位置しながら、先頭の状態を知りたい時には、折り返し点ほど大切なものはない。私は毎年、一年の半分が過ぎようとしている6月の中盤に一人旅にやってくる。そして、自分の想いの位置の確認をする。ゴールは、このチェックがあってこそ見えてくる。私の秘密の楽しみのひとつです。

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2021年6/21(月)〜6/30(水)

ホテルのロビーは、まわり舞台。

ホテルほど、時間と少しの気持ちの余裕があっての話ですが、演じるというには、これほど面白い場は他にはありません。ホテルの一日は、人生の縮図のようで、喜怒哀楽のドラマが四方八方で起きています。その中に、今日の自分は何の役で交わってみようかなどと、ちょっとの好奇心と遊び心さえあれば、自分がナニにでもなれる異空間に早変わりします。

>> PM 10 : 00   バーカウンター <<

どう自分を見せたいのかが、大切だね、と。

❝ ホテルのバーでの楽しみ方、「一人芝居をするために、バーカウンターに座るのが、私のこのところの遊びでしてね・・」と。それはそれは、見た目からして遊び人の風情を醸し出していらっしゃる男の方。定年を迎えられ、これまでの人生で、特にご自分の興味を憶えられた方々を、今度は、ご自分で演じてみていらっしゃるのだそうです。約一時間ばかり、その方から話を伺ったのですが、それは見事なばかりの変身の術。これまでのその方の観察眼が、それを支えているのだと感心しました。その日は、脚本家の役を演じていらっしゃいました。

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