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アンカー 1
Cacti
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2018年 12/3(月)〜12/9(日)

紅葉と年の瀬の幕間の時。

12月の声を聞くと、ホテルの内外で、冬支度が始まる。あと少しでやってくる年の瀬に向けて、ホテルの顔ともいえるロビーやフロントでは厳粛な空気が一瞬、漂うことがある。まるで、冬のスタートの合図を待つ瞬間の様に。

>> AM 10 : 00  ロビー <<

凛とした姿は、時間をも止める。

❝ チェックアウトをすませ、後ろをふり返ると一人の女性が目にとまった。誰かを待っているのであろうか。何をする訳でもなく、ロビーの先の入り口に視線があった。彼女の空間だけ、時間が静かに過ぎていく。凛とした姿が、移りゆく人混みの景色を優雅なものに変えている。

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2018年 12/10(月)〜12/16(日)

この時季のホテルは大人仕立て。

街中、いたる所でイルミネーションが点滅しはじめると、人々の気持も、それに呼応するかの様に、落ち着かなくなるのも無理はない。しかし、ホテルではこの時季、お客様の年齢層も少し高くなり、落ちついた雰囲気が醸し出される。

>> PM 4 : 00  ガーデンテラス <<

すべては、仕草に表れる。

❝ 庭の片隅にベンチを見つけ、彼がタバコを咥えた。指先にはさみ、火を守るように左手をそっと添える仕草に色気を感じるのは何度目かしら。緩んだこの場所に心が満たされる。彼のテリトリーで立ちこめる煙を眺めながら、穏やかな黄昏時に冬の訪れを感じていた。

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2018年 12/17(月)〜12/23(日)

ホテルほどパーティーの似合う場所はない。

12月のこの週は、一寸した集まりが、それぞれで催される。大規模のパーティーから恋人同志のデートまで、宿泊以外のお客様も、非日常の楽しみを思い思いに満喫される。華やぎウィークの幕が上がる。

>> PM 3 : 00  フロント <<

残り香に大人を感じる。

❝ きっと、あの方だ。作業していた手を止め、目を閉じた。ヒールの足音は遠のいたが、ほのかに残る香りに記憶を呼び戻す。目に映らないエキゾチックな香気が想像をかきたてた。ほんの少し日常から離れ、あこがれの異国の地へ迷い込んでみたくなる。

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2018年 12/24(月)〜12/30(日)

優しい時間を積み重ね、一年が生まれた。

ホテルのあちらこちらでは、一年の締めくくりの週にふさわしい、ゆったりとした時間が流れています。先週までの華やぎもウソの様に静かで落ちついた年の瀬を迎えています。ニューイヤーもすぐそこまで来ています。

>> PM 9 : 00  ゲストルーム <<

時を重ねて、熟成の度合いをコクと言う。

❝ 「ぶどう畑と美人は手がかかる」フランスの名言を思い出す。明日、海外に旅立つ彼女と夜を過ごしていた。「ワインは何にする?」という言葉が彼女のセリフとなったのは、いつの頃からだろう。知り合って10年、年月を重ねた魅力的な彼女にはフルボディがよく似合う。

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