
2025年10月1日(水)~10月10日(金)
山粧う。キモチもそろりと・・。
1ヶ 月前、10月も暑さは続くと気象庁は言ってはいたが、やはり季節は動いている。袖も上着の裾も長めのものが心地よくなってきた。空気もいく分か澄んできて、「カラスが鳴くから帰ーろうっ」の歌も抵抗感なく聞こえる夕焼け空が映えてきた。
>> PM10 : 00 バー <<
優しくなるは易しいことではない。
❝「そのくらいの飲み方が、しおれた感じがあり好きだナ~」と言われてしまった。萎れたフリをし、相手の同情をこちらに向ける。それも貴方が時々使う技だけどもね・・とも、付け加えられた。季節が移ってきた。特に用事もないのに小一時間ばかり飲みたくなる人がいる。話したいこともないので、「どうよ・・」「まあネ・・」くらいで場がなごんでくる。「平気な顔して黒服に『安くしてよ・・』と土下座のフリしてたものネ~」とも言われた。過ごしやすくなったからだろうか、懐かしい人たちに会いたくなった。萎れた感じは、「それなりに、艶が出てきた」と、捉えてはいるが。❞

2025年10月11日(土)~10月20日(月)
秋。ヒトは何故、旅に出たがるのか。
赤・オレンジ・黄。色彩が鮮やかに心に飛びこんでくる。空気が澄み、遠くまで見渡せる。風がそよぎ、知らぬ間に異境の空の下にたたずんんでいた りする。旅人は本の活字からも、まだ見ぬ風景を心の中に描く。一陣の風で、ふと我にかえる。
>> PM 11 : 00 ゲストルーム <<
女心と秋の空。それは感性が豊かな証。
❝「私の先祖は掏摸だったのよ」と、冗談か本気かは釈然としないが、そんなお方とご一緒した。かれこれ30年のつきあい方を振り返ってみると、スリの元締めの末裔は本当ではなかろうかと思えてくる。江戸っ子のキップのよさを兼ね備え、若い女性からも慕われる。そして、面倒見もいい。ある時は植木の手入れを頼まれて木にも登り、ベスパを乗り回し骨折してみたり。アルゼンチンタンゴを一緒に習おうと画策したこともある。気分はオトコで、艶女の役も平然とこなしてくれる。高校時代に手に入れたリキテックスを今も、持っているらしい。不思議な関係とも言える。❞

2025年10月21日(火)~10月31日(金)
神様が出雲に集まるから神無月 。
「神様がいない月も、あと少しだから二人でワルいことしましょうヨ」とお誘いがあった。ワルイことしようよと、わざと語りかけてくるそのセンスに「いいネー」と反応した。紅葉狩りももうすぐだしウォーミングアップでもするか・・のノリになってきた。
>> PM 9 : 00 ゲストルーム <<
その一瞬は、その本気への入り口。
❝ずっと昔、「姐さん、今日のリップの乗り、少しズレてないかい?」と覗きこんだ。その時から、この人、酔ったフリしてるけど、しっかり観察してるなーと、見られている立場を再認識したという。反対に自分は、いつもヘロヘロ状態になっているように敢えて見せることを選んんでいるようにも思う。なんとなく正気でいるのが恥ずかしいし、あるいは照れくさいのかもしれない。その後に、一言多かったかなーと、軽い反省もしている。だから、目の前のお方が、いつもの軸をちょっとだけズラした表情を見せてくれると、「いい時間だ」と納得したりする。❞

2025年10月のとあるある日
10月の微熱のある風景【思案する】
ある一定の状態にたどり着くために心を働かせることを言う。東西南北、上下左右、あらゆる角度から考えが行き交う、心の交差点とも言える。
>> 10月のとあるある日 <<
【 思案する 】あれこれ考えを巡らす、考察する。
❝庭園の一角に、昔ながらの赤い円筒型のポストがあるホテルで目にした情景。そのポストをジッと視つめていた女性。目を逸らした後、又、視線の先にポスト。手元を盗み見ると一枚の絵葉書。何分かの後。そのカードは投函されることなく踵を返された。
男の思案するは、好きな事象のすべてについて考える。その末には哲学が生まれる。
女の思案するは、好きな人の心の内だけを考える。その末には文学が生まれる。❞
