
2022年12月1日(木)~12月10日(土)
人は何故、12に反応するのか。
12の声を聞くと、いそいそと今年を振りかえる癖があることに気づく。さして、いつもと違うことが起こっている訳でもなく、淡々の中に所々、まだカサブタが見受けられるが、まあそのうち、なんとかなるだろうの平穏さを感じられる年の瀬。その対となる忙しなさも始まろうとしている。
>> PM9 : 00 ゲストルーム <<
無口は分かり合っている証。
❝ ポクッポクッとか、クワンクワンとかその時の心の調子で聞こえる音は違うけど、あの瞬間の音は心の扉をノックするために用意されているのではなかろうか。さっと差し出された一杯より、さてこれから、少しの時間を永遠にもできるし、刹那にするかはあなた次第ねと委ねられるとき、そこは、大人の無言の会話が望ましい。「さてと・・・」と、心に染みる頃合いをみて、「ところで、どちら様でしたっけ・・・」と、クセ球を投じてみる のもコートの襟がなじみ始める頃のいつもの遊び。❞

2022年12月11日(日)~12月20日(火)
12月の微熱のある風景【眺める】
対象に360°、タテ・ヨコ・上下にこの行為を施すこと。対象となるものすべてを捉えるために、まずはとられる行為ではなかろうか。
>> 12月のとあるある日 <<
【 眺める 】遥かに見る。見渡す。つくづくと視線を注いで見る。
❝ ゆるい坂道を登りきり、その方はゆっくりと踵を返された。まるで映画の撮影でもしているような、すべて計算されつくされた行動のように見えた。数秒間、坂の向こうを眺められた後、決心されたように次の一歩を踏み出された。
男の眺めるは、視界に入る地平線すべてを均等にとらえようとする。
女の眺めるは、視界の中にある1点に、焦点を合わせる傾向がある。❞

2022年12月21日(水)~12月31日(土)
面白くするのは自分。
いろいろなことがあった年でした。あの方が現れて、あの人が去って行った。自分では仕掛けているつもりもないのに、周りは動いてくれている。鶴首で待っているのに微動だにしない時もある。でも何かの出会いがあっての今ですから、瞬きの間を楽しみながら、歩いて行きたいものですね。
>> PM4:00 ガーデンテラス <<
予告もなく、ドラマが始まる時もある。
❝ 年末になると、急に気になる花がある。それぞれの季節で、寄り添うように花の種類は変わってはいるが、この季節になると、世間の動きとは全く関係のないところで、この花に惹かれる。淡々と日常を重ねている毎日も、いつまでも続くものではないことを、私たちに改めて知らせてくれるために、椿の花はポトリと落ちるのでは・・・と思っている。忘年会だの、クリスマスだのと世の中の表側が浮かれている時、庭の落首をスローモーションのように眺めた夕刻。新しい朝が来そうな予感がする。❞