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アンカー 1
Cacti
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2022年10/1(土)〜10/10(月)

季節の風を謳いながら、心がゆれる。

日本人は古の昔から秋を愛でてきた。音、光、風、暑い夏が終わった後の一抹の寂しさ。赤や黄色に染まった樹々たちは風に揺れ、ハラハラと舞い落ちる。まるで錦の反物を広げたように世界は色とりどりに染まっていく。趣のある落ち着いた美。そして儚さ。日本の美しい情景です。

>> PM 4 : 00    ゲストルーム <<

ほんのりハンサムな大人顔なんてね。

秋の入り口ではサングラスが欲しくなる。あれほど直射日光の厳しかった夏の盛りの時には、少し色の薄めのものを好んでいたが、肌に心地よい風がわたる頃から、気分が背徳の匂いを感じ始めるのか、濃いめのグラスをかけ始めるようだ。それに呼応するかのようにワインはライトボディのものからフルボディへと嗜好も変わる。口元もダークすぎない赤が旬。色っぽ派はボルドー系をと誘われがちだが、まずは誰と過ごすかで秋の味覚も変わってくるような・・・。あの方にしようと今、決めた。

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2022年10/11(火)〜 10/20(木)

10月の微熱のある風景 【 込める 】

気持や行動が後戻りできない状況をつくるために、込めるはありそうだ。そして、あるときは込めるという行動で、発火点に逃げ場をつくらせない麻薬や麻酔のようなものかも知れない。

>> 10月のとあるある日 <<

【 込める】中に入れる。気持ちなどを注ぎ込む。

140余年の歴史を誇るホテルの史料展示室。まるで絵のように、一枚の絵を視つめられているお方。ゆっくりと視線を閉じると、数秒の沈黙。何を連想されたのか、二度、大きく頷いた先に、ヒールの音が「クヒッ」っと鳴った。

男の込めるは、力を込めるなどのように物理的状況が感じられ、空気が張りつめてくる。

女の込めるは、想いを込めるなどのように精神的な状況が感じられ、空気が膨らんでくる。

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2022年10/21(金)〜10/31(月)

冬隣( ふゆどなり )、あの方の歌ですね。

春は山笑う、夏は山滴る、冬は山帽子、そして秋は山粧うというそうです。空では鰯雲が無数に広がり、山や街の木々が赤や黄色に染まり色とりどりの風景を楽しめる秋。色鮮やかな葉が、光を受けてさらに美しさを増す。そんな照り葉の木々も、そろそろ冬支度を始める頃となりました。

>> AM 9:00    ガーデンテラス <<

クルマの窓に反射する日差しも、しおらしい。

❝ 斜め左から入ってくる光を優しく、そして少しばかり渋く享受するためにサングラスがあるのではないだろうか。一般的には夏の日差しを遮断するためのものというのが通り相場だが、そこはそれ、秋のこの時季、街中の他の視線を避けたい時、欠かせないのが、このサングラス。そして私の好みはホテルからコーヒーショップまでの枯れ葉の道で、斜光に弄ばれる気持ちを大人の嗜みでガードしてくれるのもこの眼鏡。特に午前9時過ぎの容赦のない斜光には、頼りになる相棒とも言える。

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