2021年9/1(水)〜9/10(金)
秋と夏の谷間が美しい。
いつもの夏の終わりの、この時季は、余った季節の名残りなのか、遅れて届いた残暑見舞いにも、何の不思議も感じないのは、なぜなのでしょうか。どうも今年は、いつものように季節を迎える感覚計器が上手く動いてくれません。アスリートの美しさと、あの舞台裏の醜い話が、交差しているのでしょうか。あっ、そうですね。オリンピックの話題はさておいて、ホテルでは、しっとりとした秋が近づいてきています。
>> PM4 : 00 ガーデンテラス <<
会話ともいえない間。指先だけが動いている。
❝ ある方々が、特に私の場合はその方を、美しい所作をなさる方だなーと、思っている方に見受けられることだが、こちら側のジャケットの襟をツンツンと摘む動作をなさること。間違った捉え方をしていたようだ。こちらの服装の乱れを、ちょっと修正してくださっているものと思っていたが、どうも違うことに気がついた。動物親子の毛繕いにも似ているが、ヒト、特に一般的な関係を少し踏み込んだ場合には、言葉を使わない会話を楽しまれているのではなかろうか。❞
2021年9/11(土)〜9/20(月)
9月の微熱のある風景 【 決める 】
心や身体に纏わりついている不確かなものを、確実に断ち切るために、決めるという行為があるのではなかろうか。一瞬、目を伏せ逡巡のあと、スローモーションのように睫毛が動く。その刹那、心の行き先は決まっているのが大人なんだよネと、ずっと昔、あの姐さんから教わった。
>> 9月のとあるある日 <<
【 決める】 不確実、未定であった物事をはっきりさせる。
❝ 耳をつんざくばかりの騒音の中に身を置くか、それとも、秒針の音まで聞こえてきそうな静寂の中に浸ってみるか。大切なことを決める際には、どちらかを選んでいることが多い。ホテルの利用も様々であるが、異空間にひとり、身を置いて先人たちはどのようにこの問題を解決したのかと、問うてみるのもひとつの方法ではないだろうか。
男の決めるは、たくさんの中のどれかにすること。探すに似ている。
女の決めるは、二つのうちのどちらかにすること。選ぶに似ている。❞
2021年9/21 (火)〜9/30(木)
旅先で起こる変な癖。
旅に出てのクセのひとつにホテルのショップでの買い物がある。旅から帰ればほとんど使うこともないだろうと思われるものが欲しくなる。旅先での誘惑に負けてしまう自分がいる。お土産は、ほとんど買った覚えはないが、旅先で使うだけであろうものに興味を示す。この買い物癖はなんなのだろうか。
>> PM10 : 00 ゲストルーム <<
文字にして届けたい夜。
❝ 絵のような字ですネとか、あなたの字を見ていると、内容より先に情景が浮かんでくると、時々、嬉しい言葉を頂戴することがある。内容は、自然のことを書いているのに、画面の外に女と男がいるんだよなーとも、言われたりする。万年筆の指先には、感情も込めやすいように感じている。その上、今日は大切な人への気持ちを伝えたいため、想いが込められている香水も一滴、垂らしてみた。一人遊びの時間で、ROYAL BLUEの文字も踊っている。❞